会社勤めに物足りなさを感じる人や、挑戦したい事業がある人は、自らの力で起業したいと考えることもあるでしょう。ただ、いざ起業を視野に入れると、自分が起業家に向いているのか心配になり、事業立ち上げに躊躇してしまうこともあるかもしれません。
成功している起業家にはある程度共通した特徴があるので、自身にその特徴があるかどうかを確認してみるとよいでしょう。自分にアントレプレナーの特徴がなかったとしても、足りない部分を知って育むことで、起業に向けて自分を整えることができ、起業後に問題が起きた際にも対処しやすくなる可能性があります。
この記事では、起業に向いている人や成功する人の性格を解説しています。自身の適性判断に、ぜひ役立ててください。

起業家の特徴:向いている・成功する人に共通する性格8選
1.好奇心旺盛
市場で成功する事業を創り出す人の共通点の一つに、興味の幅が広いことが挙げられます。好奇心旺盛な人は常にアンテナを高く張っているため、変化の激しい業界のトレンドに敏感なほか、業界の潜在的な問題や課題を発見できる力があります。こうした能力は革新的なビジネスの創造に欠かせません。
また、ビジネスの継続においては、従来とは違う手法に挑戦したり、多様な視点を取り入れたりすることも必要になるため、好奇心は起業家にとって重要な要素といえるでしょう。
起業家の例
株式会社フリークアウト・ホールディングスの佐藤裕介氏は、大学在学中に当時の趣味とインターネットを組み合わせたら何が起こるかという興味から、中古品販売のECサイトを開設しました。その結果、2年弱で年商数億円にまで成長させています。好奇心がチャンスをもたらした好例です。
2.問題解決が得意
不便や不満に気づいたとき、その打開策を考えるのが得意な人は、起業に向いています。優れたビジネスは、身近な問題を解決することから生まれます。社会や業界の課題を見出し、サービスや商品として解決策を具体化できる能力は、起業するうえで強みとなります。
起業家の例
問題解決能力を活かして起業した人物に、若手起業家の米良はるか氏がいます。同氏は、世の中には資金が足りず挑戦できない人が多くいることに注目し、挑戦しようとしている人にお金が集まる仕組みをつくりたいとの思いから、クラウドファンディングサービス「READYFOR」を立ち上げました。
同サービスは、国立科学博物館の運営資金を集めるプロジェクトで国内最高額となる約9億円を達成するなど、活躍が続いています。
3.粘り強い
諦めず失敗から学んで粘り強く継続する姿勢は、起業に不可欠な要素です。ビジネスを軌道に乗せるまでには時間がかかるケースも多いほか、失敗や挫折もつきものです。そういった厳しい場面でも課題を冷静に分析し、改善に向けて粘り強く行動することが、事業を成功に導く鍵となります。
また、新しいビジネスモデルは受け入れられにくい傾向があります。地道に事業を続け、ブランドの姿勢を継続的に発信することで、認知拡大につながり、顧客の事業に対する理解も深まるでしょう。こうした粘り強さは、事業の持続力につながる重要な要素です。
起業家の例
ヘルスケア商品やバイオマス燃料などを取り扱う株式会社ユーグレナの創業者、出雲充氏は、バングラデシュの栄養問題の解決を目指し、ユーグレナ(ミドリムシ)の研究に取り組み、世界で初めてユーグレナの食用屋外大量培養に成功しました。
ユーグレナ量産の研究は困難を極めただけでなく、事業化に向けた営業でも500社に断られるなど、厳しい現実に直面します。それでも諦めずに資金調達に奔走した結果、現在では累計2,000万食超のバングラデシュへの栄養支援を実現させるまでに成長しています。
4.柔軟な考え方ができる
過去の事例や固定観念に囚われず、柔軟性を持って事業を進められる人は、起業に向いています。持続的な事業運営には、市場の動向や顧客の反応に応じたプラン修正が欠かせません。また事業計画がうまくいかないときにも、現状に向き合い方向転換できることが重要です。こうした柔軟な姿勢は、事業の立て直しにつながります。
起業家の例
レシピアプリ「クラシル」の創業者である堀江裕介氏は、起業当初フードデリバリー事業に取り組んでいました。その当時の日本ではまだデリバリー市場が成熟しておらず、苦戦を強いられることになります。
そんな中、動画市場が急成長していることを耳にした同氏は、料理動画プラットフォーム事業へと舵を切ることにしました。この柔軟な方向転換により、累計ダウンロード数4,300万を誇るサービスへと大きな成長を遂げています。
5.創造力がある
売れる商品を開発・販売するには、創造力も大切です。ニッチ商品を見つけ出したり、既存の商品に新しい価値を創造したりできる発想力は、商品開発に役立つでしょう。他社と同じ商品を販売するとしても、「自社独自の価値は何か」を考えられる人は、競合との競争から脱却した事業運営につなげられます。
起業家の例
株式会社kubell代表取締役CEOの山本正喜氏は、国産のビジネスチャット「Chatwork」を開発しました。きっかけとなったのはSkypeです。当初業務でSkypeを活用していたものの、ビジネス向けではないと感じていた同氏は、チャット機能とタスク管理機能を備えた法人向けチャットサービスの開発に乗り出します。
その結果、60万社以上に導入されるなど成功を収めました。既存ツールに新たな価値を加え、独自の形へと再構築したその発想力が、事業成功の大きな要因となりました。
6.コミュニケーション能力が高い
コミュニケーション能力が高い人もビジネスオーナー向きです。事業を運営するにあたり、さまざまな人との関わりが不可欠です。相手の話を傾聴し、相手の立場を尊重した対話ができる人は周囲の人と信頼関係を築きやすく、「この人と仕事をしたい」と感じてもらえます。
また、自分の想いや事業のビジョンを、自らの言葉で伝えることができる人は、顧客や従業員、投資家などのステークホルダーの共感を集め、協力を得やすくなります。他者からの理解や後押しが必要な起業において、コミュニケーション能力は重要な要素といえるでしょう。
起業家の例
コミュニケーション能力の高さで知られている起業家の一人に、ソフトバンク創業者の孫正義氏がいます。同氏は、ソフトバンクの経営理念である「情報革命で人々を幸せに」をさまざまな場面で発信し、ステークホルダーとのビジョンの共有を続けています。
また、人と話す際は否定せずに受け止めてから話すことを大切にしています。事業の成功には、こうした姿勢も影響しているといえるでしょう。
7.決断力・実行力がある
ビジネスは決断と実行の連続のため、意思決定力と行動力も重要です。迅速に判断し実行に移せる力があると、市場の変化に対応した事業運営ができ、ビジネスチャンスを逃さずに成長につなげられます。
起業家の例
楽天グループの創業者である三木谷浩史氏は、日本企業特有の企業カルチャーを世界中のサービス会社に広めるため、批判を受けながらも社内公用語を英語にしました。
この試みにより、世界から才能あふれる人材が集まったことでダイバーシティが実現し、真のグローバル企業へと成長を遂げました。リーダーシップ力が事業にイノベーションを巻き起こした好例です。
8.リスクを許容できる
不確実性を恐れずに挑戦できる人は起業家に向いています。収入が不安定になることや、失敗する可能性など、起業には必ずリスクが伴います。予測可能なリスクを分散したり、最小限に抑えたりする方法を取り入れたうえで、「起きうる損失が許容範囲であれば挑戦する」という強い意志が起業には不可欠です。
起業家の例
食品製造と外食事業を展開する株式会社デルソーレ元会長の大河原愛子氏は、伊藤ハムとの提携にあたりピザの製造工場を建設する際に4億円を投資しました。当初は赤字で倒産の危機も経験しましたが、提携によりヒット商品が生まれ、挑戦が実を結びました。
まとめ
問題解決能力や忍耐強さ、柔軟性、リーダーシップなど、起業家にはさまざまな資質が求められます。こうした特徴は事業立ち上げに有利に働くでしょう。ただ、これらに完全に当てはまっていないからといって、起業できないわけではありません。重要なのは、自身の強みや課題を分析し、性格や適性に合うビジネスプランにすることです。
また、自身に足りない部分を把握し、意識的に改善を重ねながら起業家の思考や姿勢を身につけていくことも大切です。内面を磨くことは、起業を成功に導く一歩となります。
よくある質問
起業に向いている人の特徴は?
- 好奇心旺盛
- 問題解決が得意
- 粘り強い
- 柔軟な考え方ができる
- 創造力がある
- コミュニケーション能力が高い
- 決断力・実行力がある
- リスクを許容できる
起業家の特徴を持っていなくても起業できる?
起業家に共通する特徴を持っていなくても、自身に足りない部分を補うパートナーを見つけることで起業できます。例えば、優れた事業アイデアはあるがコミュニケーションが得意でない場合、コミュニケーション能力に長けているパートナーと事業を運営することで、起業の成功につなげることができます。
内向的な性格でも起業家になれる?
はい、内向的な人でも起業家になれます。成功した起業家には外向的な人も内向的な人もいます。重要なのは自分の性格を把握し、性格や適性に合う事業内容にすること、そして自身に必要な特性を伸ばしていくことです。
文:Tomoyo Seki





