趣味をビジネスにする場合でも、市場のギャップを狙う場合でも、成功するECビジネスを始めるには優れた商品だけでは十分ではありません。顧客とつながる強力なブランドが必要です。ブランディングは、潜在顧客にあなたが何を大切にしているのかを伝え、記憶に残る印象を与えます。
ブランドの視覚的要素であるブランディングデザインには、ロゴのデザインから使用するフォントまで、さまざまな要素が含まれます。
ビジネスの印象的なブランディングデザインを作る準備はできていますか?この記事では、成功しているECブランドの優れた事例と、独自のビジュアルアイデンティティの開発に役立つ専門家のアドバイスをご紹介します。
ブランディングデザインとは?
ブランディングデザインとは、タイポグラフィ、写真のスタイル、カラースキームなどの要素を用いて、企業のビジュアルアイデンティティを構築することです。ロゴなどのビジュアル素材の制作だけでなく、ウェブサイト、ソーシャルメディア、パッケージ、その他の媒体でそれらをどのように使用するかを定めるルールも含まれます。
ブランディングデザインは視覚的要素に焦点を当てていますが、これはブランディングの一部にすぎません。ブランドの完全なアイデンティティには、ブランドボイス、ブランドバリュー、ブランドマニフェストなどの非視覚的要素も含まれます。しかし、強力なビジュアルブランディングがあれば、企業は瞬時に認識されるようになります。ナイキのスウッシュロゴを思い浮かべてみてください。顧客は企業名を見なくても、そのロゴを認識できるのです。
優れたブランディングデザインの条件
ブランディングデザインは、すべてのデザイン上の判断を導く明確なブランドガイドラインに基づいている必要があります。これらのガイドラインには通常、タイポグラフィやカラーの選択が含まれ、ブランド素材のライブラリや写真の使用ルールが定められる場合もあります。
ブランドデザインを開発する際に考慮すべき主な要素は次のとおりです。
ロゴ
ロゴはブランドを象徴するシンボルです。エンブレム、ワードマーク(テキストベースのロゴ)、マスコットロゴなど、さまざまなロゴの種類があります。
マスコットロゴは、ブランドを特に印象的なものにすることができます。たとえば、スキンケアブランドStarfaceは、自己表現と優しさへのコミットメントを表現するために、親しみやすいスマイリーフェイスのマスコット「Big Yellow」を使用しています。
「Starfaceは、特に中核的な顧客層であるZ世代の文化的コミュニケーションの一部となっていることを誇りに思っています」と、Starfaceの社長Kara Brothersは『Shopify Masters』のエピソードで語っています。
「Starfaceにとってそれを象徴するのが、Big Yellowという看板キャラクターです。このキャラクターは親しみやすい存在で、とてもシンプルな言葉で語りかけます。そして、SNSやキャンペーンを通して、誠実なブランドの声を体現しているのです。」
カラー
慎重に選ばれたカラーパレットは、SNS、ウェブサイト、広告など、顧客が目にするあらゆる場面でブランドの一貫性を保つのに役立ちます。色彩理論や色彩心理学(たとえば、68%の人が赤を愛と結び付けて考えるなど)に注目するマーケターもいますが、最も重要なのは、調和が取れていてメッセージを明確に伝えられる色を選ぶことです。
「色の解釈は非常に主観的で、人それぞれ異なる連想を持っています」と、デジタルデザインエージェンシーStudio Mote(Shopifyパートナー)のクリエイティブディレクター、Sara Moteは言います。
タイポグラフィ
使用するフォントとその配置方法は、ブランドアイデンティティにおいて重要な役割を果たします。ブランドガイドラインでは、使用するフォントの種類と、それらをすべての素材でどのように一貫してスタイリングするかを定める必要があります。
優れたブランディングデザイン12事例
- Omsom
- Mount Lai
- Atacz
- Glossier
- Big Bud Press
- Noted
- Schoolhouse
- Wild One
- Hero Bread
- Bombas
- Parks Project
- KimChi Chic Beauty
ブランディングデザインの実例を見てみましょう。成功しているECビジネスが、カラー、タイポグラフィ、その他の視覚的要素をどのように活用し、顧客とつながる印象的なブランドを作り上げているのかを紹介します。
1. Omsom
Omsomは、南アジアや東南アジアの麺類やソースを直販するブランドで、その味わいと同じくらい大胆なブランディングが特徴です。デザインには、エネルギッシュなブランドトーンに合った鮮やかなカラーが使われています。
「コンセプト全体が、エネルギーや炎を思わせ、何かを打ち破るようなイメージでした」と、Omsomのブランドガイドライン構築を支援したエージェンシーOutlineのブランディング・クリエイティブディレクター、Ky Allportは語ります。ブランドでは、燃えるように鮮やかな色を使用し、ファビコン(ブラウザタブに表示される小さなアイコン)はキャンドルの炎の形を採用しています。また、蒸気を思わせるように引き伸ばされたタイポグラフィも特徴です。
「ミニマリズムが主流の世界の中で、Omsomはマキシマリズムのコンセプトを取り入れ、それを独自の方法で表現することで、楽しくエネルギッシュなブランドボイスを見事に表現しています」と、コンテンツデザイナーのIbrahim Hasanは言います。
2. Mount Lai
「非常にシンプルでモダンなロゴは、顧客から高い評価を得る傾向があります」と、デザイナーのSkyler Hestnesは言います。中国伝統医学に着想を得た美容ブランドMount Laiは、クリーンな白黒のワードマークロゴでそれを体現しています。
Mount Laiのブランドアイデンティティは、落ち着いた自然なカラーパレットが特徴です。葉や石といった自然の要素とともに商品を紹介する写真も多く使われています。ウェブサイトでは、慎重に選ばれた読みやすいフォントを組み合わせ、ミニマルで穏やかなデザインを作り出しています。
3. Atacz
バッグブランドAtaczは、アートと持続可能性を融合させたブランドです。リサイクル素材から芸術的なオブジェクトを生み出すというミッションには、ファッション感度が高く環境意識の高い顧客に訴求するビジュアルが求められました。
その結果、シャープでコントラストの強い写真、モダンなフォント、そして目を引く鮮やかなカラーを組み合わせたデザインが生まれました。
4. Glossier
Glossierのスキンケアに対する「少ない要が、より豊か」というアプローチは、ブランドデザインにも反映されています。ロゴは、シンプルなワードマークとスタイライズされた大文字の「G」という2種類で、ミニマルなデザインに保たれています。
「Glossierは、私にとって常に際立ったブランドの一つです」とSkylerは言います。「ときには、派手で色鮮やかなデザインが必ずしも必要とは限らないのです。」
5. Big Bud Press
Big Bud Pressは、鮮やかなジャンプスーツやオーバーオール、トップス、トートバッグなどを展開する、ロサンゼルス発のエシカルアパレルブランドです。
商品はさまざまなカラーで展開されていますが、ブランドは一貫したビジュアルアイデンティティを保っています。ウェブサイト、Instagram、店舗、そしてサンシャインロゴには、ヴィンテージ感のあるオレンジ、ゴールド、オーカーといった特徴的なカラーが共通して使用されています。
6. Noted
Notedのキャンドルは、ニュートラルでミニマルなブランドデザインを採用し、落ち着いた雰囲気を生み出しています。商品写真はシンプルで、香りのインスピレーションとなった花や果物などの自然の要素がよく取り入れられています。
7. Schoolhouse
Schoolhouseは、エシカルな製造とアメリカの工芸の伝統に焦点を当てた照明とインテリア用品のブランドです。ウェブサイトのデザインはほぼモノクロで構成されており、その中でカラフルなパターンがアクセントとして使われています。商品写真では、アイテムを温かみのある居心地の良い空間に配置し、暮らしの中での使い方をイメージしやすくしています。
8. Wild One
「退屈は私たちのDNAにはありません」と、ペット用品ブランドWild Oneは、ウェブサイトで宣言しています。ブランディングデザインでもその姿勢が表れており、テキスト全体に大胆なカラーブロックを使用し、鮮やかな商品を際立たせるクリーンな白い背景を組み合わせています。
9. Hero Bread
Heroは、低炭水化物でタンパク質と食物繊維が豊富なパン製品を作っているブランドです。ブランドデザインは、麦畑を思わせる黄金色を基調としており、麦の束をモチーフにしたロゴによって、そのイメージがさらに強調されています。
写真では、パッケージから取り出したHeroのパンを紹介しており、通常のパンと同じ見た目で同じように味わえることが伝わるよう工夫されています。
10. Bombas
ウールソックスブランドBombasは、商品が購入されるたびに、ホームレス状態にある人へ1点のアイテムを寄付しています。サイトでは多くのカラーが使われていますが、ブルーのアクセントを一貫して取り入れることで、ブランドの認知を保っています。商品写真は、シンプルなグレーの背景の上でアイテムを見せることで、品質の高さを際立たせています。
11. Parks Project
国立公園局の公式パートナーであるParks Projectは、国立公園を支援し、その認知を高めるための商品を展開しています。2014年以降、公園の保全資金の支援を行うとともに、顧客に気候変動の影響について伝える活動にも取り組んできました。
ブランドデザインでは、モダンなフォントにレトロなグラフィックやヴィンテージ風の写真を組み合わせ、落ち着いた自然な色合いで統一されています。
12. KimChi Chic Beauty
「私のオーラは、グリッターのようにきらめく紫外線のような色の組み合わせだと思います。かわいくて楽しく、奇妙でエキゾチックなものすべてが好きなんです」と、ドラァグクイーンのKimChiはViceのインタビューで語り、自身の美学を「バイオニック・ドイリー」と表現しました。
KimChi Chic Beautyのブランドデザインは、パステルカラー、漫画のキャラクター、ハートなどのシンボルを使った遊び心のあるイラストで、このユニークなビジョンを反映しています。
ブランディング専門家が教えるデザインのコツ
デザイナーのSkyler Hestnesは、これまで数多くの中小企業が印象的なブランドを築くのを支援してきました。ここでは、独自のブランドデザインを開発するための彼女の主なアドバイスを紹介します。
ロゴはシンプルで汎用性のあるものにする
「ときには、大きくて派手なロゴよりも、シンプルなワードマークのほうが効果的なことがあります」とSkylerは言います。よく考えられたカラーパレットを持つ分かりやすいロゴであれば、高度なデザインスキルがなくても注目を集めることができます。Shopifyの無料のロゴメーカーを使って作り始めることも可能です。
また、シンプルだからといって退屈というわけではありません。ロゴは、看板から商品タグまで、さまざまな背景やサイズで機能する必要があります。Skylerの言葉を借りれば、「白い背景でも黒い背景でも、その間のどんな背景でも使えるロゴを持つことが、ブランドを大きく成長させる鍵になる」のです。
市場を調査する
経験豊富なデザイナーであっても、ブランドプロジェクトを始める前には市場調査を行います。業界のデザインの傾向や基準を理解することで、信頼性があり関連性の高いブランドを作ることができます。
Skylerはこう言います。「競合他社が何をしているのかを見ることをおすすめします。たとえば、寿司店の看板を見たときに、使われている文字がヘアサロンのような雰囲気だったら、人は違和感を覚えるでしょう。」
色を賢く選ぶ
カラースキームは、ウェブサイトから商品開発まで、顧客とのあらゆる接点でブランドのアイデンティティを形作ります。Skylerは、まずニュートラルな背景色を決め、その上で「ブランドカラーとして目を引くアクセントカラー」と、それを補完する色を加えることをおすすめしています。
ブランドツールキット全体を活用する
「ECでは、顧客との最初の接点がSNSであることが多いです」とSkylerは指摘します。ロゴ、タイポグラフィ、カラー、写真のスタイルなど、すべてのデザイン要素をソーシャル投稿でも一貫して使用することで、顧客がブランドを瞬時に認識できるようになります。
ブランドに忠実であり続ける
「最も注意が必要なのは、統一されていないブランドです」とSkylerは言います。ガイドラインを確立したら、ソーシャルメディアから社内コミュニケーションまで、あらゆる場面でそれらを一貫して使用しましょう。
そして最も重要なのは、ブランドデザインを商品と一致させることです。Skylerはこう言います。「たとえば非常にニュートラルな色のキャンドルを販売しているのに、赤や青などの派手でクレイジーなブランドデザインにするのは望ましくありません。ブランドは商品に合ったものにする必要があります。」
ブランディングデザインに関するよくある質問
ブランディングデザインとは何ですか?
ブランディングデザインには、ロゴ、カラーパレット、タイポグラフィ、写真のスタイルなどが含まれます。これらの要素が連携することで、ブランド独自のアイデンティティが形作られます。
効果的なブランドデザインの条件は何ですか?
効果的なブランドデザインは、企業の価値観や個性を反映しながら、すべてのプラットフォームで一貫性を保っていることが特徴です。たとえばOmsomでは、大胆な色使いとエネルギッシュなデザインが、鮮やかなアジアの味わいと明るいブランドボイスと見事に調和しています。
ビジュアルブランドアイデンティティの主要要素は何ですか?
- ロゴ:ブランドを視覚的に表現する、ブランドデザインの基盤となる要素。
- カラーパレット:顧客がブランドを瞬時に認識できるようにする、慎重に選ばれた色の組み合わせ。
- タイポグラフィ:フォントや文字スタイルによって、書かれたコンテンツに一貫した雰囲気や印象を与える要素。
ブランドデザインが重要な理由は何ですか?
強力なブランドデザインは、顧客がブランドを認識し、記憶するのに役立ちます。また、競合他社との差別化を図り、ウェブサイト、パッケージ、ソーシャルメディアなど、あらゆる接点で一貫した体験を生み出します。





